2018年7月
200症例突破!!
TAVI
Transcatheter Aortic Valve Implantation
経カテーテル大動脈弁留置術
名古屋地区で初症例を実施/愛知県で最多の症例数(2018年7月。200症例突破!)/経験豊富な指導医2名が在院

 TAVI とは?

Transcatheter Aortic Valve Implantation の略語で、「経カテーテル大動脈弁留置術」と訳されます。

TAVI は、胸を開かず、心臓が動いている状態でカテーテルを使って人工弁を患者様の心臓に装着する治療法です。

この治療は、心臓の弁が上手く機能せず、息切れなどの症状が出る「大動脈弁狭窄症」の患者様で、高齢などの理由で外科的な手術が困難な方に対する新しい選択肢となります。

当院は、名古屋地区で1番最初に TAVI を施行した施設です。

 対象疾患

大動脈弁狭窄症

さまざまな理由により大動脈弁(図1)が硬化し、十分に開かなくなる病気です。

大動脈弁は、心臓から血液を送る入り口にあたるため、弁の硬化により狭くなったところを無理に血液が流れることで心臓に負担が掛り、狭心症のように胸が痛くなったり、失神したり、心不全になるなどの症状を呈するようになります。

正常
中等度狭窄
高度狭窄

大動脈弁狭窄症の3つ治療方法

 TAVI の方法

アプローチ

TAVI には、2通りのアプローチ方法があります。太ももの付け根の血管から挿入する「経大腿アプローチ」、肋骨の間を小さく切開し、心臓の先端(心尖部)からアプローチをする「経心尖アプローチ」です。

患者様の状態に最適な方法をハートチームの医師が選択します。いずれのアプローチにおいても、少ない身体的負担で治療が可能です。

TF TRANSFEMORAL
経大腿(けいだいたい)アプローチ
TA TRANSAPICAL
経心尖(けいしんせん)アプローチ

使用する弁

  外科的治療 TAVI
(経心尖アプローチ)
TAVI
(経大腿アプローチ)
人工弁の耐久性 生体弁:10〜20年
機械弁:20〜30年(半永久的)
長期耐久性の臨床データは現在のところなし。
(5年までのデータあり。現在追跡調査中:2013年10月現在)
抗凝固療法 生体弁:治療後2〜3ヶ月間程度
機械弁:生涯にわたり必要
なし
抗血小板療法 なし 治療後、半年間は2剤
(チエノビリジン系薬、アスピリン)
その後は、一剤を医師の指示のもとに応じて服用。

カテーテル挿入方法

通常 TAVI(TF)を行う場合、カテーテルの径(太さ)が太い為、外科的に皮膚を切開して行うことが一般的である。しかし、当院は患者様の負担を軽減する目的で穿刺にて行なっている

穿刺
切開
切開

 当院における TAVI

当院の特徴

  1. 熟練した指導医が2人在籍し、内科・外科協力して手技を行なっている。
  2. 入院から退院まで1週間程度。手技から3日で退院。
  3. 手術時間が約1時間程度であり、一般的な施設と比べて短い。
  4. 患者様の負担の少ない手技を心がけている。(TF場合)
    • 全身麻酔ではなく、局所麻酔である。
    • カテーテル挿入部は切開でなく、穿刺で行なっている。
  5. 心臓専門病院のため、心臓治療に熟練したコメディカルスタッフの協力が得られる。

2人の TAVI 指導医(内科、外科)を中心としたハートチーム

TAVI 指導医からの Message

みなさん、こんにちは。名古屋ハートセンターで構造的心疾患に対する治療を担当させて頂いております山本真功(まさのり)と申します。

構造的心疾患とは、聞きなれない言葉だと思うのですが、心臓弁膜症や、先天性心疾患という病気によって、引き起こされる心臓病を大きくまとめた表現です。詳しくは、当院のホームページを見て頂ければ詳しく解説してあります。

特に大動脈弁という心臓の出口が悪くなる病気に対してをカテーテルで治療するという方法は、経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)と呼ばれております。ステントと呼ばれるものに生体弁を取り付けて、カテーテルという道具を使用して大動脈弁に取り付けます。使用することができる治療器具は2種類ありまして、私はいずれの治療方法も指導医の資格を有しております。

フランスでこの治療を学び、日本の医療に少しでも貢献したいと考えております。

365日、24時間体制で、緊急の患者様にも対応することが可能な体制ができています。病気でお困りの患者様がいらっしゃいましたら、是非とも名古屋ハートセンターにご相談くださいませ。

循環器内科 山本 真功

名古屋ハートセンター心臓血管外科の小山裕(ゆたか)と申します。心臓外科手術を担当すると同時に、構造的心疾患に対するカテーテル治療も担当しております。

大動脈弁狭窄症※1に対するカテーテル治療(経カテーテル的大動脈弁留置:TAVI)において、足の付け根の血管から行う治療が困難な患者様(血管が細い、血管が曲がっているなどがおもな理由)に対して、外科的処置が必要なカテーテル治療を行なっており、指導医の資格※2を有しております。

弁膜症に対する従来の外科手術とカテーテル治療との双方の経験を活かし、治療の特徴、利点や欠点をわかりやすく説明すること、そして患者様に適した治療法を選択できるように心がけております。遠慮なくご相談ください。

※1大動脈弁狭窄症:心臓の出口の弁が狭くなり、心臓に負担がかかり、心不全をきたす病気

外来日:金曜日 午前・午後(それ以外でも緊急の患者様などいつでも対応させていただきます)

資格:外科専門医、心臓血管外科専門医、心臓血管外科修練指導者、SAPIEN(Edwards lifesciences社)経心尖アプローチ指導医※2

心臓血管外科 小山 裕

緊急事態にも迅速に対応できるハイブリッド手術室

ハイブリッド手術室とは?

TAVI は、ハイブリッド手術室と呼ばれる、高機能の手術室において治療を行います。

当院では2014年夏、ハイブリッド手術室を稼働いたしました。手術室と同等の空気清浄度の環境下で、カテーテルによる血管内治療が可能です。この組み合わせにより最新の医療技術への対応が可能となりました。

治療実績(累計症例数)

来院から退院のまでの1週間の流れ

金曜日 土曜日 日曜日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日
入院
検査
TAVI 実施
リハビリ
評価
点滴 TAVI当日 検査
術後評価
検査
術後評価
退院
→

当院の手術時間の推移

一般的に手術時間は2~3時間と言われています

患者様 年齢分布

 治療費について

2013年10月より、TAVI 治療が健康保険の適用となりました。
さらに、高額療養費制度をご利用いただくことで、費用の負担を軽減することが可能です。

例)TAVI 治療 7〜14日入院の場合

健康保険を使用される場合
70歳未満の方 180万円(3割負担)
70歳以上の方 44,400円(所得により、異なる場合があります)
高額療養費制度を利用される場合
70歳未満の方 年収 約1,160万円以上の方 約30万円
年収 約770万円〜1,160万円の方 約22万円
年収 約370万円〜770万円の方 約14万円
年収 〜約370万円の方 57.600円
住民税非課税の方 35,400円
70歳以上の方 44,400円(所得により、異なる場合があります)

※食事代、個室代は別途必要になります。