Transcatheter Aortic Valve Implantation の略語で、「経カテーテル大動脈弁留置術」と訳されます。
TAVI は、胸を開かず、心臓が動いている状態でカテーテルを使って人工弁を患者様の心臓に装着する治療法です。
この治療は、心臓の弁が上手く機能せず、息切れなどの症状が出る「大動脈弁狭窄症」の患者様で、高齢などの理由で外科的な手術が困難な方に対する新しい選択肢となります。
当院は、名古屋地区で1番最初に TAVI を施行した施設です。
さまざまな理由により大動脈弁(図1)が硬化し、十分に開かなくなる病気です。
大動脈弁は、心臓から血液を送る入り口にあたるため、弁の硬化により狭くなったところを無理に血液が流れることで心臓に負担が掛り、狭心症のように胸が痛くなったり、失神したり、心不全になるなどの症状を呈するようになります。
TAVI には、2通りのアプローチ方法があります。太ももの付け根の血管から挿入する「経大腿アプローチ」、肋骨の間を小さく切開し、心臓の先端(心尖部)からアプローチをする「経心尖アプローチ」です。
患者様の状態に最適な方法をハートチームの医師が選択します。いずれのアプローチにおいても、少ない身体的負担で治療が可能です。
外科的治療 | TAVI (経心尖アプローチ) |
TAVI (経大腿アプローチ) |
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人工弁の耐久性 | 生体弁:10〜20年 機械弁:20〜30年(半永久的) |
長期耐久性の臨床データは現在のところなし。 (5年までのデータあり。現在追跡調査中:2013年10月現在) |
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抗凝固療法 | 生体弁:治療後2〜3ヶ月間程度 機械弁:生涯にわたり必要 |
なし | |
抗血小板療法 | なし | 治療後、半年間は2剤 (チエノビリジン系薬、アスピリン) その後は、一剤を医師の指示のもとに応じて服用。 |
通常 TAVI(TF)を行う場合、カテーテルの径(太さ)が太い為、外科的に皮膚を切開して行うことが一般的である。しかし、当院は患者様の負担を軽減する目的で穿刺にて行なっている
2013年10月より、TAVI 治療が健康保険の適用となりました。
さらに、高額療養費制度をご利用いただくことで、費用の負担を軽減することが可能です。
例)TAVI 治療 7〜14日入院の場合
健康保険を使用される場合 | |
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70歳未満の方 | 180万円(3割負担) |
70歳以上の方 | 44,400円(所得により、異なる場合があります) |
高額療養費制度を利用される場合 | ||
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70歳未満の方 | 年収 約1,160万円以上の方 | 約30万円 |
年収 約770万円〜1,160万円の方 | 約22万円 | |
年収 約370万円〜770万円の方 | 約14万円 | |
年収 〜約370万円の方 | 57.600円 | |
住民税非課税の方 | 35,400円 | |
70歳以上の方 | 44,400円(所得により、異なる場合があります) |
※食事代、個室代は別途必要になります。