小高アナ　さて、7月から始まりましたこのコーナー。最近よく聞く「心臓突然死」「心臓発作」に関する緊急の対処法などを専門家にお聞きするコーナーです。本日第3回目は医療法人・名古屋澄心会　名古屋ハートセンター院長の外山淳治先生をお招きしております。外山院長、よろしくお願いします。

外山院長　よろしくお願いします。

小高アナ　前回の放送では、心臓突然死で日本で年間６万人が亡くなっていると伺いましたが、その詳細についてお聞かせください。

外山院長　「心臓突然死」の90％は心臓の筋肉が痙攣（けいれん）する心室細動です。突然の痙攣で心臓から一滴の血液も出なくなり、脳貧血でばったり倒れ呼吸も停止し、心肺停止状態になります。助ける道はただ一つ、心臓マッサージとAEDによる心肺蘇生です。最近では、AEDが駅・空港・学校・競技場などの公共の場所に備えられるようになりました。この様な場所では、周りに人も多いので、ばったり倒れても、とっさに心肺蘇生が行われて多くの命が助かっています。問題は、自宅で起こった場合です。実は多くがこのケースです。無論AEDも無いので心臓マッサージを躊躇なく、しっかり行って救急車が来るまでの時間を稼ぐ、これが十分できるかどうかで家族の命が決まります。

小高アナ　そうですよね。第一発見者の対応によって生死を分けると言っても過言ではないですよね。

外山院長　心臓マッサージによる時間稼ぎをしないで、救急車を呼ぶだけでは心肺停止の「人の命」を助けることはほとんど不可能です。119番ダイヤルして救急車が到着するまで平均6分以上かかります。そして救急隊が心臓マッサージを始めるまでには、あと2～3分かかるでしょう。心臓マッサージの開始が1分遅れる毎に10％づつ命が失われます。救急隊が心肺蘇生を開始するまでの10分間が勝負です。ですから、心臓マッサージの正しいやり方を日頃から学んでおくことが家族の為にとても大切です。名古屋ハートセンターでは、名古屋市とその近郊の中学・高校の保健指導の先生の要請を受けて、昨年は35校、延べ3400名の生徒さんに心肺蘇生の講習を行いました。

小高アナ　素晴らしい活動をされていますね。

外山院長　心肺蘇生を習うコツは、「習うより慣れろ」です。人形のみぞおちの少し上を、どのように両手を組んで、どの程度に圧迫し、それをどの程度の早さで繰り返すかの実際を学んでもらいます。これが愛する家族・友人の命を救うことに繋がるのです。この番組をお聞きの皆さまで、心肺蘇生の講習を希望される方がおら れましたら、名古屋ハートセンターにその旨をご連絡ください。

小高アナ　外山院長、今日はどうもありがとうございました。