自分の心臓を、みたくありませんか・・・? アナタの心臓を、可視化する 専門病院で行う、心臓画像診断

シリーズ:アナタの心臓を可視化する!心臓イメージング(心臓画像診断)最前線

0)プロローグ

心臓イメージングで解明する、さまざまな病態と重症度

知らない間に心筋梗塞になっていた!不整脈のうらに、心筋症がかくれていた! 今、そんな患者さんが、名古屋ハートセンターの外来でも徐々に増えています。

心臓は絶えずはたらいていながら、普段は「動いている」ことを自覚することすらないのが普通です。そんなわたしたちの心臓を「可視化」し、正常に動いているかどうか、心筋のダメージがないかどうかを解明する手段のひとつが、「心臓イメージング(心臓画像診断)」です。各装置を用いて心機能、形態から心筋組織の障害まで、さまざまな病態の可視化を試みます。

名古屋ハートセンターで活躍する主な心臓画像診断装置(モダリティ)は・・・

  • 心エコー:心臓の動きや形態を簡便にみられる
  • マルチスライスCT :冠動脈や心臓の各部を3次元で観察できる
  • MRI:心臓機能の異常や心筋梗塞などの心筋障害が発見できる

詳細は、当院のサイト「自分の心臓を、みたくありませんか・・・?専門病院で行う、心臓画像診断(https://nagoya.heart-center.or.jp/imaging/mri.html)」をご覧ください。

動いている心臓の画像を得るには、心臓の動きに合わせて撮影を行う技術(心拍同期)が必要です。また呼吸による胸郭の動きにも対応する必要があります。このため、以前は他の臓器に比べて心臓を画像化することはとても困難でした。テクノロジーの進歩に加え、全国の医師や医療スタッフのスキルも向上したおかげで、最近では多くの情報が画像診断より得られるようになりました。

心臓の状態を「可視化」することは、より質の高い診断につながります。ハートセンターでは心臓イメージングを駆使し、1人1人の病態に合わせた治療の選択につなげています。

本コラムでは、心臓イメージングについて、シリーズで紹介していきます。

シリーズ第1回は、「心筋梗塞を、可視化する」...

 コラム 001(更新日:2021.06.01)

隠れ心筋梗塞が増えている・・・?「心筋梗塞」を、可視化する

知らない間に心筋梗塞になっていた・・・!

ある患者さんは、心電図の異常を指摘され、心エコーで一部に動きの悪い部分が見つかりました。MRIを行ったところ、なんと心筋梗塞による心筋障害の所見が!

幸い梗塞巣はごく一部で、生存心筋が残っていることが画像上確認されました。

また、次のようなテーマを順次取り上げていきます。

  • 心臓の筋肉に血液が足りない・・・?!「心筋虚血」を、可視化する!
    心筋に十分な血液が取り込まれない「心筋虚血」。階段を昇ると胸部圧迫感を生じる発作の正体です。血行再建手術が有効なことがありますが、安静時の検査でははっきりしないことも多く、負荷をかけての心臓イメージングにより判定します。
  • 長年の高血圧で傷む心臓・・・「高血圧性心疾患」を、可視化する!
    高血圧の状態が続くと、心臓の内圧により心筋に負荷がかかり、心筋障害を来す場合があります。心臓イメージングで心筋障害の所見があれば、将来的に心不全に陥りやすいことがわかっています。

・・・などなど。お楽しみに!