4月17日(金)14:00~15:00に院内ハートホールにて栄養教室を開催しました。
今月のテーマは「貧血対策」です。
初めに、心臓血管外科の大場医師よりご挨拶をして頂きました。
脳貧血と鉄欠乏性貧血は同じ『貧血』とつくが、脳貧血は脳への血液の量が少なくなることが原因であり、今回お話しする貧血とはまた別であるということを分かりやすく説明していただき、また、貧血にもさまざまな種類があるということや体内での鉄分の循環について詳しくお話していただきました。
続いて、栄養士から貧血対策についてスライドを用いてお話しました。
貧血のほとんどは、鉄欠乏性貧血です。体内では鉄分は約3000mg~4000mg存在しており、その7割が赤血球のヘモグロビンに含まれて体内を循環してます。残りの3割は、血液を作る骨髄、使い終わった赤血球を壊す脾臓、鉄分を貯蔵している肝臓に存在しています。赤血球は造られてから約120日で壊されますが、その時鉄分は回収されまた再利用されます。再利用されなかった鉄分は体外へ排出されますが、その分を食事で補う必要があり、体内への吸収率を考慮すると、5~10mgの鉄分を摂る必要があります。
鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類あり、ヘム鉄の方が吸収率が少し高くなりますが、非ヘム鉄も胃酸や鉄分の利用効率を上げてくれるビタミンCなどによりヘム鉄の形に変えられ体内に吸収されやすくなります。
ヘム鉄の多い食品はレバーが一番ですが、他にも赤身の肉や魚(特に血合い)にも多く含まれています。
非ヘム鉄を多く含む食品は動物性食品で卵やアサリ、植物性食品ではほうれん草や小松菜、豆類、大豆・大豆製品、ひじきなどがあります。
また、赤血球の色素であるヘモグロビンはたんぱく質でできているため、たんぱく質を十分に摂ることも大切になってきますが、毎食主菜、副菜としっかり揃えることで十分な鉄分とたんぱく質の補給ができます。無理なダイエットなどで食事量が極端に減ってしまうと、たんぱく質、鉄分ともに摂取量が減ってしまうので、貧血になりやすく要注意です。
本日の試食は「かつおのムニエル」と「小松菜の菜種和え」でした。
かつおはたんぱく質が豊富で、血合いの部分には鉄も多く含まれています。たたきなどでもいいですが、今回はムニエルにし、ビタミンC豊富なレモンを添えました。
小松菜と卵はどちらも鉄分が豊富に含まれているため、副菜として追加するだけで摂取する鉄分の量を大きく増やすことができます。
試食
食塩相当量:0.3g
鉄:1.2mg
食塩相当量:0.7g
鉄:2.2mg
今月もたくさんの方にお越し頂きありがとうございました。
次回平成27年5月の栄養教室のテーマは「減塩のコツ」を予定しております。またのご参加お待ちしております。