7月15日(水)に栄養教室を開催し、テーマは「高齢者の食事」でした。
栄養教室の初めに、名古屋ハートセンター副院長の太田壽城先生より、高齢者の身体機能の変化について、分かり易く説明して頂きました。高齢になると消化機能の低下・咀嚼力(噛む力)の低下・精神状態の面から、食が細くなるため、習慣的に体を動かし心身ともに、コンディションを整え食欲を上げることが大切である。といった内容でした。
次に、管理栄養士の方から高齢者の食事ついてスライドを用いて、説明しました。今回話した内容は、大きく分けて2つです。
- 自分自身のための食事について太田副院長も述べられたように、高齢になると食欲低下につながる身体機能の変化が幾つかあります。栄養素によっては食事摂取基準の推奨量を満たしてない物があり、食物繊維・ビタミンB1・カルシウム・マグネシウム・亜鉛がそれにあたります。また、たんぱく質は推奨量を満たしているものの、偏った食生活をしていると、不足する可能性が十分あるので注意が必要です。対策として、これら栄養素の働きや含有量を多い食品を説明しました。
- 高齢者を介護するための食事について介護が必要な高齢者の注意点は、咀嚼力(噛む力)・嚥下力(飲み込む力)の低下を考慮しなければならないことです。食品によっては、誤嚥しやすい物もあります。
具体的な食品として、粘度や弾力性のある物(こんにゃく・かまぼこ)、サラサラな水分(水・お茶)、へばり付きやすい物(のり・もち)、パサパサしている物(クッキー・ピーナッツ)、繊維の多い物(ごぼう・生野菜)などです。ただし、食べにくいということで、こういった物を省くと、栄養不足になる恐れがあるので、調理の工夫では、ある程度食べ易くすることが必要です。
調理の例を上げると、加熱して食材を軟らかくする。隠し包丁や繊維を断ち切る切り方をする。油脂を利用し滑らかにする。水分はとろみ付けやゼリーにするといった方法があります。高齢者を介護する場合は、誤嚥を起こさないように料理を工夫し、栄養不足にならないようにする事が大切です。
以上、2つの内容を中心に説明しました。
三和化学研究所さんからは、高齢者の悩みを考慮した商品を紹介していただき、また何点かサンプルを提供して頂きました。商品の詳細は三和化学研究所のホームページをご覧ください。
今回の試食は、3品用意しました。各料理、食べ易く工夫してある物とない物を用意し、食べ比べできるようにしました。
☆鶏ささ身の煮物☆
- 鶏ささ身を茹でたのみ
- 鶏ささ身を包丁でたたき、表面に片栗粉を付けてから茹でる
ポイント〜
隠し包丁入れて、料理することにより軟らかくなり、表面に片栗粉を付けることにより、パサつかない。
☆鶏肉のつみれ☆
- 鶏ミンチ+塩のみ
- 鶏ミンチ+塩+片栗粉
ポイント〜
つなぎで片栗粉を使用することにより、口の中で食材がまとまり食べやすい。
☆じゃが芋料理☆
- 粉ふき芋
- ポテトサラダ
ポイント〜
マヨネーズを加えることで滑らかになり、飲み込みやすくなる。
今回参加していただいたみなさま、暑い中お越しいくださいまして本当にありがとうございました。
次回8月の栄養教室は、「脂質異常症の食事」をテーマに開催します。予約不要で、無料で参加できますので、たくさんの方のお越しをお待ちしております。