1月19日(火)14:00~15:00にハートホールにて栄養教室を行いました。今月のテーマは「防ごう!骨粗鬆症」です。
初めに血管外科の大場医師より挨拶をして頂きました。
骨について、車に例えてわかりやすく説明していただきました。車は使われない間にもどんどん劣化してしまうのと同様、骨も使って刺激を与えてあげないと徐々に弱くなっていきます。栄養を摂ることも大切ですが、運動をして骨に刺激を与えることや、日光を浴びてカルシウムの吸収率を上げることも大切であるというお話でした。
続いて栄養士から、「防ごう!骨粗鬆症」をテーマに食事のお話をさせていただきました。
骨粗鬆症とは骨が脆くなって、骨折を起こしやすくなる病気です。高齢者になってからの骨折は介護や寝たきりにつながる可能性が大きくなるため、骨粗鬆症を予防することは、介護や寝たきりを予防することにつながると言えます。
骨の強さは骨密度と骨質で決まります。骨密度は骨を作っているカルシウムなどのミネラルがどれくらいあるかで決まり、骨質は骨の構造や代謝のスピードや微小骨折の有無で決まってきます。骨密度を高めるのはおよそ20歳までと言われており、その後は維持、そして減少していき、骨密度が低くなります。よって、骨粗鬆症の予防は若年者では高い骨密度を獲得すること、中高年では得た骨密度を維持し、減少を緩やかなものにしていくということになります。
そこで、骨を作る食品、邪魔する食品として、以下の栄養素や食品のお話をしました。
【骨を作る食品】
- カルシウムを多く含む食品
骨の主成分。乳製品、小魚、大豆製品、緑黄色野菜に多く含まれている。 - ビタミンDを多く含む食品
カルシウムの吸収を促進し、骨の代謝の調節をする。きのこ類に多く含まれている。 また、皮膚でも紫外線によって合成される。 - ビタミンKを多く含む食品
カルシウムを骨に沈着させるために必要な栄養素。納豆と緑黄色野菜に多く含まれている。 - たんぱく質を多く含む食品
カルシウムなどのミネラルとともに骨の主成分。ただし摂り過ぎるとカルシウムの吸収を 悪くするので注意する。肉、魚、卵、大豆製品、乳製品に多く含まれている。
【骨を作るのを邪魔する食品】
- 加工食品
食品添加物としてリンが多く含まれている。リンは摂り過ぎるとカルシウムの吸収を 妨げる。また食塩も多く含まれている。 - 食塩
食塩の摂り過ぎはカルシウムを尿と一緒に排泄させてしまう。 - カフェイン・アルコール
カフェイン・アルコールの多飲は骨の主成分のマグネシウムを尿と一緒に排泄してしまう。
今月の試食は「鮭のごま味噌マヨ焼き」と「小松菜としめじのポン酢和え」です。
ごまは大さじ1杯で108㎎のカルシウムが含まれており、これは牛乳100mlに含まれるカルシウムと同じくらいです。小松菜にもカルシウムが豊富に含まれており、ビタミンDの多いきのこ類と一緒に食べることで、カルシウムの吸収率を上げてくれます。
試食
エネルギー :309kcal
食塩相当量:0.8g
エネルギー :21kcal
食塩相当量:0.5g
今回は寒い日にもかかわらず、会場がいっぱいになるほどたくさんの方にお越しいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
今後の予定は下記のとおりです。
- 2月17日(水)「脂質異常症の食事」
- 3月17日(木)「便秘でお悩みの方へ」
- 4月22日(金)「血圧の気になる方へ」
本年も様々なテーマで栄養教室を開催させていただきます。何卒宜しくお願い申し上げます。