8月19日(金)に栄養教室「血糖値の気になる方へ」を開催しました。
教室の始まりの挨拶は心臓血管外科医の北村部長にしていただき、高血糖値が心疾患に及ぼす影響についてお話ししていただきました。
心疾患イベントリスクのひとつには糖尿病があり、高血糖状態を放置しておくと様々な合併症や疾患を引き起こします。ところが、糖尿病は自覚症状が出にくいため、つい放置したり治療を中断してしまいがちです。そのような間違いを起こさないためにも、北村先生の方からも高血糖と指摘されたら早めに医療機関で治療を受けることをお勧めされていました。
血糖値改善のためのキーワードは食事、運動、服薬です。
中でも食事と運動は日常生活の中で改善につながる重要な役割を占めています。糖尿病の食事療法というと難しく構えがちですが、もともと生活習慣が原因の疾患なので、その根本となる生活習慣を意識すればいいのです。ポイントは食事の量、食事の質、食事の食べ方。の3つだけです。食事の量といっても、面倒なカロリー計算は必要ありません。それよりも弱った膵臓を休ませるように満腹まで食べないことです。
食事の質も同じです。バランスよく食べるなんて難しいので、必ず野菜を食べるようにして食物繊維で血糖値の急上昇を抑えてあげればいいのです。ただこの時に意識してほしいのは、こんにゃくや海藻、ネバネバしたおくらのような水溶性食物繊維を積極的に摂ってほしいことです。同じ食満繊維でも、この水溶性食物繊維こそが血糖値の上昇を抑えてくれるのです。
最後に食事の食べ方です。要するに膵臓に負担のかからないように、ゆっくり食べることやまとめ食いをしないことです。そして栄養素の中で最も血糖値を上げやすい炭水化物を単品で食べないことです。
これだけのことを意識して実践するだけで血糖値コントロールは改善され、膵臓が休憩できます。膵臓が休憩できれば、さらに糖の取り込みがよくなって血糖コントロールがうまくいく。正の相関です。
さらに、この時に忘れてはいけないのが運動の存在です。適度な運動は筋肉への糖の取り込みを促してくれるので、インスリン抵抗性を改善します。
食事と運動は相乗効果があるので、必ずセットで実践して欲しいものです。ちなみに運動は食後の血糖値上昇時にするのが最も効果的だといわれます。
次に株式会社フェローさんより「えごま油」の紹介をしていただきました。
αリノレン酸の豊富なえごま油は、糖尿病の原因にもつながる動脈硬化予防の効果があります。スプーン1杯で約1日分のαリノレン酸が手軽に摂取できます。
今月の試食は「牛肉とこんにゃくの炒め煮」と「ひじきの胡麻和え」です。
炒め物にこんにゃくを混ぜることで、水溶性の食物繊維がしっかり摂れます。ひじきは煮物が多いですが、和え物にすると海藻を使った料理のレパートリーが増えます。
どちらも簡単にできるので、困ったときのお助け1品にどうぞ。
試食
今月もたいへん暑い中、たくさんの方にご参加いただき感謝申し上げます。ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。
まだまだ暑い日が続きます。お体壊さないようにお過ごしください。
- 9月21日(水)「脂質異常症の方へ」
- 10月13日(木)「免疫力を付けよう」
- 11月15日(火)