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5月16日(火)に栄養教室「貧血対策」を開催しました。
今年度4月から名古屋ハートセンター勤務の加賀瀬先生に挨拶をお願いし、「貧血は症状の感じにくい疾患ですが、気付かないうちに心臓に負担をかけ心不全増悪因子となるため、早期に改善や予防をしておくことが重要である」ことを話していただきました。
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加賀瀬先生のお話の通り、貧血は症状が出にくいために放置しがちな疾患です。しかし、赤血球のヘモグロビンが不足する貧血は血液の重要な疾患です。そもそもヘモグロビンは体内の臓器へ酸素を運搬する働きをしているため、貧血によりヘモグロビン濃度が低下すると体は酸欠状態に陥ります。
症状としては、めまいや立ちくらみ、動悸や息切れ、といったものが特徴ですが、この時、体内では酸欠を代償しようとして循環血液量を増やそうとしています。 そのため、必要以上に働いている心臓に負担をかけているのです。これが貧血が心不全を増悪させ、心不全が貧血を悪化させる理由です。
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貧血改善の食事のポイントは鉄摂取です。
本来、鉄は吸収率が低い上に体内にため込むことができないので、毎日の適度な摂取が必要となります。また、鉄には種類があり、わりと吸収率の高い動物性由来の「ヘム鉄」と、吸収率の低い植物性由来の「非ヘム鉄」が存在します。
今回の教室では、鉄の種類と鉄含有の多い食材を示し、吸収を促す食べ合わせや、逆に吸収を妨げる食品についても提示しました。
試食はヘム鉄を用いた「牛コマカツ」と、非ヘム鉄を用いた「小松菜とひじきの和え物」です。 どちらも低コストで簡単に調理できます。こまめに鉄摂取をするためには、安くて簡単なメニューがおすすめです。
試食
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今回も栄養教室にご参加いただきありがとうございました。
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今後の予定は以下の通りです。またのご参加を心よりお待ちしております。(いづれも14:00~15:00に院内ハートホールにて開催。参加費無料・予約不要です。)
- 6月21日(水)「がんばろう!塩分管理」
- 7月20日(木)「ロコモって何?ロコモ対策」
- 8月18日(金)「血糖値が気になる方へ」
徐々に気候も暑くなってきます。 こまめな水分補給で脱水を防止し、体調管理には十分お気を付けください。