栄養教室
第57回 栄養教室「腎機能低下が気になる方へ」を行いました (2017.9.20)

9月20日水曜日14:00~15:00に院内ハートホールにて栄養教室を行いました。
今月のテーマは「腎機能低下が気になる方へ」です。

腎臓は、体内の老廃物を排泄するために尿を作っていたり、体内の水分量や電解質量の調節やホルモンの分泌の調節など、私たちが生きていくうえでとても重要な仕事を担っています。その機能が低下していくと、体内の老廃物が排泄できなくなり、水分が溜まり浮腫みの原因となったりして、最終的には生命の維持ができなくなってしまいます。そして、腎臓の機能は低下するともとには戻れず徐々に症状が進行していくのが特徴的です。腎機能の低下を防ぐにはどのような食事に気を付けたら良いかお話しました。

様子

腎機能の低下には段階があり、どの程度であるかで食事での注意点は少し変わってきます。腎機能の低下の段階はGFRという数値で確認していきます。

様子

どの段階においても、注意していきたいのは減塩です。腎臓という臓器は毛細血管の集まりで出来ています。食塩の摂り過ぎりは高血圧を招き、腎臓の負担を増やし、機能低下の原因となります。腎臓の機能が低下すると、余分な食塩や水分の排泄ができなくなり体内の水分量や血液量が増え血圧が上昇します。そうすることでさらに腎臓に負担をかけてしまい、後は繰り返しです。腎機能の低下をさせないためにはまずは減塩を行うことがとても大切になってきます。

また、糖尿病などの生活習慣病も腎機能低下を招くため、肥満にも注意が必要になります。食べ過ぎや運動不足にならないようにしましょう。

腎機能低下が中程度以上の方はたんぱく質の制限が必要になります。たんぱく質は身体のもとになる大切な栄養素ですが、その利用によって老廃物が作られます。その老廃物が多くなれば、腎臓の負担も大きくなるため、身体の状態に合ったたんぱく質量を摂ることが必要となります。

様子

今回の試食

今回の試食は、『でんぷん米の黄金チャーハン』と『春雨のマヨネーズ和え』です。低たんぱく米はお米を原材料としてたんぱく質を除去して作られていますが、でんぷん米はコンスターチ(トウモロコシでんぷん)や小麦でんぷんをお米の形にしてあるもので、お米を使わずに作られたものになります。こちらも低たんぱく米と同様たんぱく質が非常に少なく、穀類からのたんぱく質を減らすことができます。また、はるさめもたんぱく質が少ないので、たんぱく質制限のある方には使いやすい食材となります。マヨネーズに合えることでエネルギーアップにもなり、食塩摂取量も抑えることができます。

料理

でんぷん米の黄金チャーハン(1人分)
エネルギー :707kcal
たんぱく質:8.1g
食塩相当量:0.6g

料理

春雨のマヨネーズ和え(1人分)
エネルギー :101kcal
たんぱく質:0.5g
食塩相当量:0.7g

今月も沢山の方にお越しいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
来月からの栄養教室の予定は下記の通りです。

  • 10月17日(火)「脂質異常症の食事」
  • 11月16日(木)「免疫力を高めよう!」
  • 12月15日(金)「減塩管理!」

いづれも14:00~15:00に院内ハートホールにて開催します。参加費無料・予約不要となっております。またのお越しをお待ちしております。

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