1月16日火曜日14:00~15:00に院内ハートホールにて栄養教室を行いました。
今月のテーマは「便秘」です。
とても身近なテーマではありますが、実は心臓や血管に大きく関わってくるものになります。心疾患のある方に便秘はどのように影響してくるのでしょうか。当院の循環器内科部長である伊藤立也医師の挨拶のあと、栄養教室を開始させて頂きました。
便秘となってトイレでいきむことによって、健常人でも血圧が40~50mmHg上昇すると言われています。つまり、普段血圧が140mmHgあるような高血圧の方の場合だと200mmHg近くまで上昇することになり、身体に大きく負担がかかってしまい危険です。
便秘を解消するにはまずは生活習慣の見直しです。腸内環境をよくする食べ物をいくら食べても、基本となる生活習慣が良くなければその効果はきちんと発揮できません。
まずは3食しっかり食べる事です。特に高齢者やダイエットをしている方は食事量が少なく、便の量がしっかり確保できないためなかなか便が出てきてくれません。欠食や無理なダイエットは便秘の原因となるのでやめましょう。
便の量のかさましには食物繊維が効果的です。野菜類全般、海藻やキノコ類にも多く含まれています。
また、水分不足も便秘の原因となります。便は大腸を通過していく間に水分を吸収され程よい方さとなるのですが、もともと水分が足りていないと、便の水分が吸収され過ぎて固くなってしまい排便が困難となってしまいます。
そして、食事だけでなく運動不足も大敵です。筋肉が衰えると腸の動きが鈍くなったり、排便するときに必要な腹筋も弱くなってしまいます。筋肉を衰えさせないように日常的に身体を動かす習慣をつけることが大切です。ウォーキングのような有酸素運動は自律神経も整えてくれるため、ストレスなどで起こる痙攣性の便秘にも効果的です。
これらのように、生活習慣を整えてからはじめて乳酸菌など腸内環境を整えてくれる食品の効果が充分に発揮してくれると言うわけなのです。目先の情報にばかりにとらわれず、まずは全体から見直していきましょう。
今回の試食
今月の試食は、『鶏肉と根菜の煮物』と『ひじきの簡単白和え』です。
どちらも食物繊維をしっかりとることのできるメニューです。そして食物繊維だけではなく、鶏肉などから適度な脂肪も摂れるため、その脂肪が便の滑りをよくしてくれます。「~~だけ」にならず、いろんな食材を食べるようにしましょう。
鶏肉と根菜の煮物(1人分)
エネルギー:233kcal
食塩相当量:0.9g
ひじきの簡単白和え(1人分)
エネルギー:99kcal
食塩相当量:0.9g
今月も沢山の方にお越しいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
来月からの栄養教室の予定は下記の通りです。
- 2月21日(水)「健康な骨を目指そう!」
- 3月15日(木)「放っておくと怖い、糖尿病!」
- 4月20日(金)「アルコールとの上手な付き合い方」
いずれも14:00~15:00に開催します。
参加費無料・予約不要となっております。またのお越しをお待ちしております。