5月24日(金)に栄養教室「見直そう骨のこと。骨粗鬆症も生活習慣病のひとつです」を開催しました。
今回は薬剤師の前口先生から骨粗鬆症についての病態的なことや薬剤についての話から始まり、管理栄養士の方から骨粗鬆症の原因やその改善方法についてお話ししました。
骨粗鬆症のガイドラインによると、「骨粗鬆症は低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が増大し骨折の危険性が増大する疾患である」と提唱されています。
簡単に言うと、骨粗鬆症とは骨折リスクが増大した状態。ということであり、生活習慣病のひとつと言われています。生活習慣病というと、真っ先に高血圧や糖尿病といった疾患が思い浮かぶと思いますが、骨粗鬆症も日常生活の中での食事や運動で予防や改善のできる疾患であり、生活習慣病なのです。
ではなぜ骨粗鬆症は起こるのか?
そもそも骨は身体の一部であり新陳代謝によって新しい骨が形成され、古い骨は破壊されます。 よって、この骨芽細胞(新しい骨を作る細胞)と破骨細胞(古い骨を吸収する細胞)のバランスによって骨の状態は左右されるのです。
- 骨芽細胞>破骨細胞→丈夫な骨が形成
- 骨芽細胞<破骨細胞→骨がもろくなる
というわけです。
では、どんな人が骨粗鬆症になりやすいのか、その原因を挙げてみます。
主にカルシウム摂取不足、ビタミン摂取不足、食塩の過剰摂取や無理な食事制限による偏食(栄養不良)、運動不足や日照不足、喫煙やアルコールの多飲などが挙げられ、これらはどれも改善できる要因ばかりです。
それらを踏まえ、改善のポイントとして
- 骨の主成分であるカルシウムを十分に補う。
- 栄養のバランスを整えカルシウムの吸収を促す。
- カルシウムの吸収を妨げになるものを避ける。
- 日光にあたり適度な運動を取り入れる。
とし、それぞれ具体的な実践方法を提案しました。
骨粗鬆症は予防できる疾患であり、生活習慣病のひとつだということを忘れず、毎日の食事や運動の心配りや気配りで丈夫な骨の保持増進に努めていきましょう。
今回もたくさんの方にお集まりいただきありがとうございました。
今後の栄養教室の予定は下記のとおりです。
- 6月18日(火)“放っておくと怖い、糖尿病!”
- 7月17日(水)“放っておくと怖い、便秘の改善法”
- 8月22日(木)“脂質異常症といわれたら…食生活を見直そう!”
これからの湿気も多く暑くなってくる季節となります。くれぐれも食中毒や体調不良など、お気を付けてお過ごしください。