7月17日(水)に栄養教室「知っておこう!便秘の改善法」を開催しました。
前田看護部長からの開催のあいさつでは、このじめじめとした季節は脱水が原因で体調不良を起こしやすいため注意が必要である。 今回のテーマである便秘の原因の一つに水分不足があるが、循環器疾患がある方は個々により水分の摂り方に違いがあり 食生活にも留意していくことが必要とのお話でした。
では、便秘とはいったいどのような状態のことをいうのでしょうか。
慢性便秘症診療ガイドライン2017では本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態です。つまり、排便の不調はもちろん、毎日排便があっても何だかすっきりしないという状態も便秘という事になります。放っておくと、さまざまな疾患にもつながりやすいため、早めに改善していただくことが大切です。
今回は食事からの改善が期待できる
- 規則正しい食事をする
- 食物繊維をしっかり摂る
- 腸内環境を整える
を紹介させていただきました。
1. の“規則正しい食事をする”という事ですが、まず朝食をしっかり摂ることで、腸が動き出し(蠕動運動)排便リズムも良くなります。朝食後は胃・結腸反射が強く起こり、腸の蠕動運動が活発になりスムーズに排便されるため、欠かせません。
それに加え朝食、昼食、夕食はできるだけ決まった時間帯に摂取し、食習慣が乱れないように配慮する事も排便習慣を整えるためにとても大切です。
2. の“食物繊維をしっかり摂る”という事ですが、食物繊維には不溶性、水溶性と2種類ありどちらの摂取も大切ですが、水に溶けやすく、便の排出を促す働きをもつ水溶性食物繊維の摂り方を事で見直して頂く事で、腸内環境が整い、便秘や下痢の改善が期待できます。
お一人暮らしの方はたくさんの食材を抱えられず、困っているという声をよく聞きますので、保存がきく手軽な水溶性食物繊維の摂取方法を紹介させていただきます。
まず切り干し大根ですが、茹でなくても水に浸しておくことで戻ります。その後水気を取り、伸ばしてラップにくるみ冷凍保存し、使用時は自然解凍して味噌汁やサラダに入れれば便利です。
次にえのきですが、石づきを取り、使いやすい量にバラすか、食べやすい大きさに切り分け重ならないようにフリーザーバッグに入れて冷凍保存します。使用時はそのままさっと炒めるだけで火が通るため冷凍のまま使用でき便利です。
3. の“乳酸菌をしっかり摂る”という事ですが、乳酸菌には腸の中の悪玉菌を減らし善玉菌を増やす働きがあります。善玉菌が増えることで腸の状態がよくなると悪玉菌はすみづらくなり反対に善玉菌は快適に働けるようになります。
乳酸菌が含まれている食材にはヨーグルト・チーズ・納豆・酒粕があり、合わせて野菜・豆類に多いオリゴ糖を取っていただく事で、さらに乳酸菌が働きやすい環境に整えてくれます。
今回紹介した食事の摂り方に加え、運動習慣や、ストレスをなくす工夫をして便秘を改善していきましょう。
蒸し暑い中ご参加いただきありがとうございました。今後の栄養教室の予定は以下の通りです。
- 8月22日(木) 脂質異常症といわれたら…食生活を見直そう!
- 9月20日(金) きちんと知っておこう!貧血対策の食事について
- 10月16日(水) 食事に気をつけて免疫力を上げよう!
いずれも14:00~15:00に開催します。無料でどなたでもご自由に参加できます。(予約不要)