栄養教室
冬と春の旬の食材を組み合わせたメニューの紹介

3月に入り、寒さも少しやわらいできました。市場に出回る食材も、徐々に冬のものから春のものがちらほら姿を現し始めています。

今月ご紹介する「ぶりのみぞれ煮 菜の花添え」は、季節の変わり目だからこそ楽しめる冬の旬の食材と春の旬の食材を組み合わせた料理です。ぶりの良質な脂肪とたんぱく質+大根の消化酵素+菜の花のビタミンやミネラル。

材料こそシンプルですが、季節の変わり目ならではの、旬の食材に含まれる栄養の相乗効果を期待しましょう。

Cook by 瀬木晶子(管理栄養士)
今月の料理:ぶりの卸し煮 菜の花添え(エネルギー:1食当たり303kcal、たんぱく質18.6g、塩分1.3g)
2014年3月1日
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季節の変わり目ならではの、旬の食材に含まれる栄養の相乗効果を期待しましょう。

出世魚のぶりの特徴といえば、脂がのっていてとても深みのある味わいがあることです。この脂には、不飽和脂肪酸のEPAやDHAが豊富に含まれており、脳を活性化してくれる他に中性脂肪や悪玉コレステロールを減らし、逆に善玉コレステロールを増やす働きがあるので、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの予防に効果があります。
そして、この不飽和脂肪酸は酸化しやすいのが弱点ですが、ぶりにはこれを防ぐ抗酸化作用のあるビタミンEが含まれているので問題なし!出世魚だけあって成長とともに栄養素もぎっしり詰まった魚です。

菜の花にはβカロチンが豊富に含まれており、粘膜を丈夫にしたり免疫力を高めてくれる働きがあり、ビタミンB2やビタミンC、食物繊維、カリウムなどのミネラルも多く、老化や風邪の予防をしてくれます。
また、菜の花独特のほろ苦さはイソチオシアネートという成分で、抗ガン作用や血液をサラサラにしてくれる効果があります。そしてこの効果を最大に発揮するには、細胞を壊すことがポイントです。

しっかりとよく噛んで、ほろ苦い春の息吹を味わって食べましょう。

材料(二人分)

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2切れ
大根 10cm
菜の花 4本
片栗粉 小さじ2杯
減塩醤油 大さじ2
砂糖 大さじ1
大さじ1
みりん 大さじ1

作り方

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☆ぶりの準備をします①☆

ぶりの水分をキッチンペーパーで吸い取ります。
表面に片栗粉をまぶし、余分な粉は手ではたきます。

ポイント〜

ぶりに塩を振って脱水させると塩分を吸収してしまうので、塩は使わずペーパーで丁寧に水分を吸い取ります。

☆大根の準備をします☆

大根をおろします。

ポイント〜

大根をおろした水分も使うので、濾したり絞ったりしないでおきます。

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☆菜の花を準備します☆

菜の花は沸騰した湯でさっと茹でます。
生上げ(きあげ)して、荒熱が取れたら2~3cmに切ります。
※生上げ→茹でた後、水にさらさずに自然に冷ます手法。

ポイント〜

下茹での水に塩を入れて茹でると、菜の花に塩分が吸収されるので真水で茹でます。生上げすることで菜の花が水っぽくならず、風味が保てます。

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☆ぶりの準備をします②☆

テフロンのフライパンでぶりを素焼きします。
両面に軽く焼き色がつくように焼きます。

ポイント~

表面に片栗粉を付けて焼くことで、煮崩れしにくく、ぶりの旨味も逃げません。

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☆調味料の準備をします☆

調味料を混ぜ合わせます。

ポイント~

減塩醤油を活用することで、塩分が半分近く抑えられます。

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☆調理します①☆

鍋にぶりとおろし大根を入れ、調味料を加えます。
中火~弱火の火加減で、ゆっくり煮ます。

ポイント~

ぶりを煮るときは絶対蓋をしてはいけません。魚の臭みがこもります。

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☆調理します②☆

大根にも調味料が浸透し、全体に火が通ったら出来上がり。

ポイント~

ぶりの身が崩れてしまうので、煮ている最中は触らないようにします。

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☆仕上げます☆

器に盛り付け、菜の花を添えます。

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