
古い枠組みの中でも理想を見失わず、飽くなき努力を続けて参りました。
前任地では「断らない医療」に努め、手術例数も2倍にまで引き上げ、重症例をほぼ全例受け入れました。また、前任大学関連病院の開心術も5年間で 4,000例を突破し、わが国の開心術総数の10%を占めました。
豊橋ハートセンターの実績に海外・国内大学病院での経験と技術を加え、患者様目線で安全・安心な治療をさらに追求いたします。
残暑が厳しい毎日ですが、ふと秋の気配を感じることもある季節になって参りました。皆さま方にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、名古屋ハートセンターも2008年10月に開院してから1年半が過ぎ、もうすぐ丸2年が経過しようとしております。
今回、2010年1月1日から2010年6月30日まで、当院での手術成績についてご報告申し上げます。
2010年度の前半年で総手術症例数は109例を、そのうち開心術(心臓や胸部大動脈の手術です)は99例を数えました。まだ開院後日が浅いのですが、すでに名古屋屈指の心臓病院になってきており感謝いたしております。濃尾平野一円のみならず関東や九州、関西などからも多数の患者さんが来院され光栄に存じております。
表1に、開院からの開心術症例数の推移を示します。

99症例の内訳を表2に示します。弁膜症疾患(心臓の弁の病気です)が全体の6割を占め、当院外科の特徴かと思います。これには心筋症(心臓の筋肉の病気です)や心不全に関連した重症例が含まれます。冠動脈バイパス術に関しましても、Off-pump CABG(人工心臓などを使わない自然な手術法です)を積極的に取り入れ、できるだけ患者様の負担を減らすよう努力しております。

この間、多数の重症例や高齢者、複合手術(いくつもの心臓手術を同時に行います)あるいは再手術・再々手術(かつて心臓手術を受けられた患者さんの手術で難しくなりがちです)の患者さんを手術・治療させて戴き、皆お元気に退院して戴き、循環器専門病院としての使命を地域に対して果たせるようになりつつある事をうれしく存じております。
順調に症例数を伸ばし、安定した成績を残せているのも、皆様のご協力があったからこそと心より感謝しております。
成績といたしまして、緊急症例で1例失いましたが、開心術症例で死亡例はありませんでした。
この1例の死亡例は、緊急での腹部大動脈瘤破裂症例(お腹の大動脈が破裂して危篤状態で病院に来られたケース)でした。
血圧が急激にゼロ近くなり、やむを得ず集中治療室内で緊急開腹・手術となりました。無事に瘤を人工血管に置換できましたが、すでに全身が壊れて回復できず、次第に血圧低下をきたし、救命することができませんでした。
腹部も含め、大動脈瘤は症状が出にくく、患者様も治療に消極的になりがちです。しかし、いったん破裂してしまうと、たとえ院内であっても救命が困難になります。
当院ではCT、エコー、血管造影など、治療のみならず診断や予防にも力を入れております。
心臓とくに弁や血管の病気の疑いと言われた患者様には、まずは診断を受けるよう当院心臓血管外科にご相談いただければ、その患者様に合わせた検査方法で診断させていただきます。その後は、患者様本人の希望・体力、ご紹介の先生やご家族様のご意見・背景をあわせて考慮し、治療方法の選択枝を提示したく存じます。
また現在受けておられる治療について、セカンドオピニオンつまり専門家の意見をお聴きになりたい方も遠慮なくどうぞ。名古屋ハートセンターにお電話戴き、外来担当看護師とご相談のうえ心臓外科外来にお越し戴くか、メール(komeda@heart-center.or.jp)にて遠慮なくご相談下さい。
大動脈瘤はもとより弁膜症、心不全、マルファン症候群などの患者さんを多数フォローアップさせて戴いております。ガイドラインにもとづき、患者さんにとって安全のために必要な治療や手術を最適タイミングで行い、また不要な手術や治療はやらずにすむようにご指導しています。
皆様方のご理解とご協力を賜れますと幸甚です。
今後も皆さまのご期待に添える循環器(つまり心臓血管)専門病院をめざして、皆さまから幅広くご意見を戴きつつ、さまざまな努力と工夫を続けたく存じます。
皆様のますますのご発展を祈りつつ時候の挨拶と代えさせていただきます。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
平成22年8月15日
名古屋ハートセンター 心臓血管外科スタッフ一同
(部長:米田正始、医員:北村英樹、深谷俊介、小山 裕)
残暑が厳しい毎日ですが、ふと秋の気配を感じることもある季節になって参りました。先生方にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、名古屋ハートセンターも2008年10月に開院してから1年半が過ぎ、もうすぐ丸2年が経過しようとしております。
今回、2010年1月1日から2010年6月30日まで、当院での手術成績についてご報告申し上げます。
2010年度の前半年で総手術症例数は109例を、そのうち開心術は99例を数えました。
表1に、開院からの開心術症例数の推移を示します。

99症例の内訳を表2に示します。弁膜症疾患が全体の6割を占め、当院外科の特徴かと思います。これには心筋症や心不全に関連したものが含まれます。冠動脈バイパス術に関しましても、Off-pump CABGを積極的に取り入れ、できるだけ患者様の負担を減らすよう努力しております。

この間、多数の重症例や高齢者、複合手術あるいは再手術・再々手術の患者さんを手術・治療させて戴き、皆お元気に退院して戴き、循環器専門病院としての使命を地域に対して果たせるようになりつつある事をうれしく存じております。
順調に症例数を伸ばし、安定した成績を残せているのも、周囲の開業医様を含め、皆様のご協力があったからこそと心より感謝しております。
成績といたしまして、緊急症例で1例失いましたが、開心術症例で死亡例はありませんでした。
この1例の死亡例は、緊急での腹部大動脈瘤破裂症例でした。
この患者様は83歳の男性で、腹部大動脈瘤・腹痛で当院に救急搬送されましたが、集中治療室に収容時、開放破裂となりました。急激な循環動態の破堤があり、やむを得ず集中治療室内で緊急開腹・手術となりました。無事に瘤を人工血管に置換できましたが、再還流障害から血圧低下をきたし、救命することができませんでした。
腹部も含め、大動脈瘤は症状が出にくく、患者様も治療に消極的になりがちです。しかし、いったん破裂してしまうと、たとえ院内であっても救命が困難になります。
当院ではCT、エコー、血管造影など、治療のみならず診断や予防にも力を入れております。
疑わしい患者様には、まずは診断を受けるよう当院心臓血管外科にご相談・ご紹介いただければ、その患者様に合わせた検査方法で診断させていただきます。その後は、患者様本人の希望・体力、ご紹介の先生やご家族様のご意見・背景をあわせて考慮し、治療方法の選択枝を提示したく存じます。
大動脈瘤はもとより弁膜症、心不全、マルファン症候群などの患者さんを多数フォローアップさせて戴いております。地域の先生方の平素の健康管理のお手伝いをさせて戴くとともに、もし将来手術適応となればEBMやガイドライン上の最適タイミングで手術や治療ができるように致しております。
皆様方のご理解とご協力を賜れますと幸甚です。
皆様のますますのご発展を祈りつつ時候の挨拶と代えさせていただきます。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
平成22年8月15日
名古屋ハートセンター 心臓血管外科スタッフ一同
(部長:米田正始、医員:北村英樹、深谷俊介、小山 裕)













