栄養教室
春の食材を生かした減塩メニューの紹介

4月に入り一気に暖かくなりました。桜もあっという間に咲き、先月までの寒さを忘れてしまう陽気です。季節が変わると出回る食材も変わりますが、特に春の食材はすべてがみずみずしく軟らかいものに変身します。

そこで今月は、旬の春キャベツと絹さやをたっぷり使った回肉鍋(ホイコーロ)をご紹介します。味噌を使った料理は何かと塩分過多になりがちですが、春野菜の甘味や旨味、食感を活用して減塩に挑戦します。

春キャベツは水分が多くて軟らかく、ほとんど火を通さなくてもいいので、歯触りや食感を感じられるのは今の時期ならではです。そして絹さやは、えんどう豆の中でも若さやを食べるのが特徴ですが、特に春の旬のものはキャベツ同様みずみずしく軟らかいのでやはり食感を存分に楽しむことができます。

ちなみにキャベツの栄養成分は緑の濃い葉の部分と芯に豊富なので、芯まで軟らかいこの時期にたっぷり食べましょう。

Cook by 瀬木晶子(管理栄養士)
今月の料理:春キャベツの回鍋肉(エネルギー:1食当たり413kcal、たんぱく質23.2g、塩分1.2g)
2014年4月12日
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春野菜の甘味や旨味、食感を活用して上手に減塩しましょう。

キャベツはビタミンが豊富に含まれている野菜ですが、中でもビタミンCがずば抜けており、葉1~2枚で1日分のビタミンCを摂取できるほどです。このビタミンCは疲労回復や風邪予防に効果があり、美肌効果なんかもあります。

その他、キャベツには抗潰瘍性のあるビタミンUを豊富に含んでおり、その成分のキャベジンは胃腸薬の名前にも使われています。胃腸の粘膜の修復時に必要なたんぱく質の合成を促すので、新陳代謝を活性化し粘膜を修復保護し、発生予防にもなります。胃潰瘍は一旦治っても再発しやすいので、日常の食生活の配慮が必要ですが、毎日1食どこかでキャベツを摂れば胃腸を守ってくれます。

また、通常の野菜に含まれるカルシウムは吸収されにくいのが特徴ですが、キャベツは別で吸収力に優れています。しっかり摂って骨粗鬆症予防も期待しましょう。

材料(二人分)

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  春キャベツ 4~5枚
  絹さや 10~12枚
  中華顆粒だし 小さじ1
  こしょう 適宜
  豚肩ロース肉(厚め) 5枚
  赤味噌 大さじ1
砂糖 大さじ1
大さじ2
豆板醤 小さじ1/4
片栗粉 小さじ2
  生姜 1片
  ニンニク 1片
  ごま油 大さじ1

作り方

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☆調味料を準備します☆

調味料をポリ袋に入れ、混ぜ合わせます。
固形の味噌や粉の片栗粉を手でよくなじませます。

ポイント〜

ポリ袋を使うことで手が汚れません。

☆豚肉の準備をします☆

豚肉を4~5cmの食べやすい大きさに切ります。
生姜ニンニクをすりおろし、豚肉と一緒にポリ袋に入れます。
肉をよく揉み込み、調味料をなじませます。

ポイント〜

肉を揉み込むことで、仕上がりを柔らかくします。生姜とニンニクの香りで減塩効果が期待できます。

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☆野菜を準備します①☆

キャベツは食べやすい大きさに手でちぎります。
春キャベツは軟らかいので、芯の部分も手でちぎります。

ポイント〜

キャベツを手でちぎることで、切り口から味がしみ込みやすくなります。

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☆野菜の準備をします②☆

絹さやは筋を取っておきます。

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☆調理します①☆

フライパン(中華鍋)に油を熱し、キャベツと絹さやを炒めます。
野菜に油がなじみ、少ししんなりしてきたら、中華だしとこしょうをふります。
中火~強火でさっと炒めます。

ポイント~

香辛料のこしょうをたっぷりかけることで、減塩醤油が期待できます。 春キャベツは軟らかく水分が多い上に、余熱でどんどん火が入るので炒めすぎないように注意します。

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☆調理します②☆

炒めた野菜を一旦ざるに上げます。

ポイント~

ざるに上げることで余分な水分が落ちるので、仕上がりがべたつかず野菜の食感が残ります。

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☆調理します③☆

フライパン(中華鍋)に油を熱し、肉を炒めます。
肉が硬くならないように手早く加熱します。

ポイント~

片栗粉がついているため、くっつきやすく焦げやすいので注意します。

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☆調理します④☆

ざるに上げておいた野菜を加え、混ぜ合わせます。
肉の調味料と野菜がからむように混ぜます。

ポイント~

肉と野菜を別々に炒めることで、野菜がべたつかず色彩もきれいに仕上がります。 そして何より、調味料が最小限に抑えられるので減塩効果があります。

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☆仕上げます☆

器に盛りつけます。

ポイント~

片栗粉が艶々感を演出してくれています。

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