栄養教室
第29回 栄養教室「減塩のコツ」を行いました (2015.5.21)

5月21日(木)に院内ハートホールにて栄養教室を開催しました。テーマは「減塩のコツ」でした。

今まで減塩をコンセプトとした栄養教室は幾度と開催しましたが、今回は減塩の「コツ」として日常で速戦力となるような、調理の工夫や食品の選び方など具体的な手法について主に取り上げました。

まずはじめに循環器内科医の江原先生から減塩についての総論を簡潔に話していただき、引き続き管理栄養士から各論を話し、次に減塩食のレシピ紹介を兼ねての試食、といった流れです。

様子

現代の日本は生活習慣病の増加に伴い健康志向の風潮が目立つようになり、テレビなどのメディアでも健康に関する番組や、インターネットでも簡単に情報を共有できるようになりました。そして、「食塩の取り過ぎは良くない。」だとか「高血圧につながる。」ということは誰もが当たり前に知っている概念といっても過言ではなくなりました。

しかし情報があふれているということは、栄養に関する内容でかえって混乱したり、その中身が理解できていないまま生活に取り入れてしまったり、なんてことにもなりかねません。そして結果的に情報ばかりが先走り、肝心な具体的手法が分からないままでは本末転倒になってしまいます。そこで今回は前述しましたように速戦力になるような実践、実行に移せるような内容を考えました。

減塩の方法は主に2つ。まずは“目に見える食塩(調味料や加工品)を減らす”こと。次に“知らずに摂っている食塩を減らす”ことにあります。それぞれに減塩の方法は異なりますが、どちらにも減塩するポイント、いわゆる鍵があります。その鍵さえ見付けてしまえば、宝箱は簡単に開くわけですから宝探しは簡単です。減塩も同じ。ポイントさえ押さえたら、少しの工夫で簡単に無理なくおいしく減塩ができます。それがまさに今回の栄養教室のテーマである「減塩のコツ」なのです。

様子

試食ではサンマの塩焼き(1人分食塩量0.7g)と、冷奴(1人分食塩量0.2g)の2品を紹介しましたが、食塩量は通常の半分以下にカットされています。でも、特殊な調味料を使っているわけでも極端に調味料を減らしたわけでもありません。どちらも“少量の調味料でも舌に塩分(塩味)を感じる状態にする”ことを考慮しただけです。

食塩は食欲増進剤なので、塩味を感じなければ食が進まないのも事実です。“いかに少量の調味料でおいしく調理するか”を目指して、今後も様々な減塩料理をご紹介させていただきたいと思います。

試食

料理
サンマの塩焼き(1人分)
食塩量:0.7g
料理
冷奴(1人分)
食塩量:0.2g

今回、このような減塩のテーマに基づいて栄養教室を開催しましたが、これは全て患者様からヒントをいただいたことがきっかけとなりました。

年間を通じて継続的に栄養指導を繰り返し、何回もお話をさせていただいたことにより、患者様が求めている情報に改めて気付くことができました。それは教科書に載っていることでも難しい理論でもなく、実生活に役立つ豆知識です。もちろん今までもそれに気付いてなかったわけではないのですが、循環器病院において食事の中でも減塩は切っても切り離せない環境下で、患者様の声が大きな原動力になったのは事実です。

この場を借りてお礼申し上げます。

様子

徐々に日差しも強くなり暑くなってきている中、栄養教室にたくさんの方々にお越しいただきありがとうございました。

毎月テーマを変えて開催しておりますので、またのご参加をお待ちしております。

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