入院心臓リハビリテーションの流れ
「その後」を左右する急性期! 早期の復帰を目指して
ハートセンターでは、専門家の監視の下、術後もしくは発症後早期から安全かつ効果的な運動を提供しています。手術後などは心臓の機能は良くなりますが、手術によるダメージで筋力が低下し、体力の低下につながります。心筋梗塞後などは心臓の機能も低下しているため、心臓の状態を確認しながら運動療法を進める必要があります。手術前から体力の増強を目的にリハビリを始める場合もあります。
病状が安定した時点で、端座位からリハビリを始めます。椅子に座ることはベッド上の安静による体力の低下を防ぎ、運動時の心臓の負担を減らすためにとても大切なことです。
その後、徐々に室内、廊下歩行へと身体活動を拡大し、さらにリハビリ室でのリハビリにつなげていきます。心電図モニターや血圧測定を行いながら、心臓にとって安全な範囲を保って進めます。これらの運動は、通常の日常生活に必要な身体機能を再獲得するためのもので、限界に挑戦するような激しいものではありません。
リハビリ室でのリハビリは次の3つから成り立っています。
- ストレッチ体操
- 筋力強化運動
- 有酸素運動
1)、2)は身体の数種類の筋肉を対象に行います。3)では、歩行運動もしくは固定式自転車(エルゴメーター)やトレッドミルを用いて運動を行います。リハビリの内容は病態や身体機能に合わせて決め、ときには状況に合わせて変更します。
下記の疾患により入院された方が対象です。
- 急性心筋梗塞
- 狭心症
- 慢性心不全(急性増悪含む)
- 心臓術後(冠動脈バイパス術後、弁膜症術後など)
- 大動脈疾患(大血管術後、胸・腹部大動脈瘤など)
- 閉塞性動脈硬化症
リハビリ中の有害事象の割合は、0.0016%程度(約6万人に1人)と言われています。
病後の間もない時期は心臓も不安定ですので、ご自身で判断することは危険です。リハビリを受けるにあたっては、必ず担当スタッフの説明をお聞きください。