②心臓の役割と心臓の病気
そもそも心臓はどこで何をしているのでしょう?
心臓は胸の中央から左にあります。胸の真ん中にある骨・“胸骨”が前方を、肋骨が横を守っています。心臓手術では、これらの骨をどう扱うかでアプローチ方法が変わってきます。詳しくは“心臓へのアプローチ・MICSについて“をご参照ください。
その場所で心臓は全身に血を送るポンプの役目をしています。全身から戻ってきた血液は右側の心臓(右心房・右心室)に入り、肺に送られ酸素で赤くなります。その血液は左側の心臓(左心房・左心室)に戻ってきて、再び全身に送り出されます。これを一日約10万回、休むことなく繰り返しているのです。このように、血液の流れは一方通行でないと能率が悪くなりますので、心臓の部屋(合計4つ)の出口には“弁”がついていて、一度出て行った血液は戻ってこないようになっています。“弁膜症”は、これらの弁に異常をきたした病気です。
また、心臓の中には血液が満ち溢れていますが、心臓自体の筋肉は、中にある血液から酸素を直接もらうことはできません。心臓表面を走る“冠動脈”に血液が流れてきて初めて酸素を受け取ることができるのです。 この心臓自体を栄養する“冠動脈”に異常をきたす病気が“心筋梗塞”や“狭心症”などの冠動脈疾患です。
また、心臓からでた血液は“大動脈”という太い血管を通って全身に送られます。この大動脈が膨らんでコブになったり裂けてしまう病気が、“大動脈瘤”や“大動脈解離”などの大動脈疾患です。